ニオブ酸リチウム(LiNbO3・LN)のグラインディング(砥石による研削加工)は、LN基板の製造工程やLN基板を用いたデバイス製造工程に適用されています。基板製造では、高品質にグラインディングを行うことで次工程である研磨加工の負荷を低減します。LN基板は主にスマートフォンなどの通信端末向けのSAWフィルタの基板として採用されており、デバイス製造工程で低背化のために薄くグラインディングする必要があります。
ニオブ酸リチウム(LiNbO3・LN)のグラインディングを行う場合の特徴を紹介します。
ニオブ酸リチウム(LiNbO3・LN)基板は劈開性が高く、グラインディング中に加工負荷が高くなるとLN基板が割れるリスクがあります。また、LN基板は結晶方位によって熱膨張係数が大きく異なるため、熱により基板内部に応力歪みが生じると割れのリスクが高まります。LN基板のグラインディングでは、最適な加工条件やホイールを選択することで、ホイールの自生発刃を促進した状態で加工を行います。これにより、低負荷かつ熱変化を抑えた加工が可能となり、割れのリスクを低減します。
ニオブ酸リチウム(LiNbO3・LN)を砥石によりグラインディング(LNとグラインディング)
ウェーハ径 Φ4 inch、仕上げ厚 250 µm
ニオブ酸リチウム(LiNbO3・LN)基板のグラインディングではアプリケーションごとに使用する加工装置が異なります。LN基板の製造工程におけるグラインディングでは、少量を高精度に研削するために、スピンドルが1軸のみの高精度な加工装置が用いられています。SAWフィルタなどLN基板のデバイス製造工程におけるグラインディングでは、低背化のために効率よく薄化研削することが求められており、生産性の高い2軸のスピンドルで構成された加工装置が用いられている場合が多くあります。