一般的な半導体製造工程は2つに大別されます。1つは基板(ウェーハ)表面に回路形成をおこなう工程(前工程)、もう1つは回路形成された基板を小さいチップに切り出しパッケージにいれる工程(後工程、パッケージングプロセス)です。半導体製造における従来のパッケージングプロセスでは、基板を指定厚まで薄化加工をしてからチップ化(ダイシング、切削加工)をおこないます。
回路を保護する表面保護(研削加工用)テープをウェーハ表面に貼り、ウェーハの裏面側を指定の厚みまで削った(研削加工)後に表面保護テープを剥離します。その後、ウェーハの裏面にダイシング(切削加工用)テープを貼り、ウェーハ表面からダイシング(切削加工)しチップ状に切り出します。テープがあるため、ダイシング後も、チップがばらばらにならず保持できます。
シリコン半導体製造では生産性向上のため、加工するウェーハ径の主流がφ300mmへ移行しています。またパッケージ低背化のため、ウェーハを厚さ100μm前後まで薄化加工するようになっています。薄化した大口径ウェーハは破損リスクが高いため、加工にはさまざまな工夫が必要です。
例えば研削による薄化加工後に研削ダメージの除去を目的とした研磨加工の工程が追加される場合は、砥石による研削加工と乾式研磨加工を一台で実現する装置を用いることで、搬送時の破損リスクを低減できます。また、表面保護テープ剥離とダイシングテープ貼付の順序を逆にすることで、薄いウェーハを常にテープで支えている状態をつくり、ウェーハの破損リスクを低減させる方法も効果的です。薄化加工装置とテープ材の貼付剥離をつないで一体(インライン)化し、薄いウェーハの搬送や載せ替え回数を減らすこともまた、破損リスクを抑制します。
これらの方法においても、ダイシングは、プロセスフロー①と同様に研削(研磨)加工後におこないます。
半導体ウェーハの薄化加工、切断加工(シリコン、化合物半導体、他)