半導体の封止に用いる樹脂には、主に熱硬化性のエポキシ樹脂が多く用いられます。これにシリカ(SiO2、二酸化ケイ素)の微粒子を混ぜることで、放熱性や熱膨張率などの機能性を付与しています。
半導体の組み立て工程を経て、半導体チップと基板やリードフレームがボンディングワイヤによって電気的に接合されます。この際、半導体チップやボンディングワイヤを機械的、化学的に保護する必要があります。以前は真空にして金属カバーで封止したり、セラミックスにより封止することもありましたが、現在では樹脂による封止が一般的です。
封止樹脂は半導体チップや基板との接着性、耐熱性、放熱性、熱膨張率、機械的強度などさまざまな性能が求められています。
半導体用封止樹脂には固体のタイプと液体のタイプがあります。
固体タイプの封止材は、トランスファモールドと言われる、射出成型に近い成型方法が使われています。トランスファモールドではペレット状の材料をプランジャー内で加熱し軟化させた後、樹脂を金型内に押し込み、冷やして固めて成形する方法です。
液体タイプの封止材はポッティングと呼ばれ、基板上接合した半導体チップに液状樹脂を垂らした後、熱硬化する方法です。
半導体用封止樹脂の多くは熱硬化性樹脂(エポキシなど)1-2割に対し、シリカフィラー8-9割を混ぜています。これは熱伝導性を高め、封止するシリコン半導体の熱膨張係数に合わせるためで、現在の半導体のほとんどはこの封止樹脂でパッケージングされています。
複数の半導体パッケージを一括封止するBGA(Ball Grid Array)やQFN(Quad For Non-lead package)では、封止後の切断にディスコのダイシングソー(砥石による切削加工機)を用います。
また、近年ではウェーハレベルCSP(Chip Size Package)など、ウェーハ状態のまま一括で封止することがあり、個片化のためのダイシングソーだけでなく、低背化のために封止樹脂を削り薄くするため、ディスコのグラインダー(砥石による研削加工機)を使用することも増えています。